「葬送のフリーレン1巻」のネタバレ感想です。
魔王を倒した勇者一行の後日譚ファンタジー
Amazon葬送のフリーレン1巻より
魔王を倒した勇者一行の“その後”。
魔法使いフリーレンはエルフであり、他の3人と違う部分があります。
彼女が”後”の世界で生きること、感じることとは--
残った者たちが紡ぐ、葬送と祈りとは--
物語は“冒険の終わり”から始まる。
英雄たちの“生き様”を物語る、後日譚(アフター)ファンタジー!
一般的なファンタジー作品とは違い、魔王を倒した後から始まるお話です。
繊細な作画で、丁寧に物語が紡がれます。
この記事では1巻あらすじ( 第1話~第7話 )と感想をまとめて紹介します。
葬送のフリーレン1巻あらすじ:第1話~第7話
第1話 冒険の終わり
魔王を倒し、帰還する勇者たち一行。
勇者ヒンメル(人間)
戦士アイゼン(ドワーフ)
僧侶ハイター(人間)
魔法使いフリーレン(エルフ)
平和が訪れ、50年後の再開を約束して旅の仲間は解散します。
このとき、エルフのフリーレンは、50年という時間が他の種族にとってどういう意味を持つのか、まったく理解していませんでした。
なぜなら、この旅を始めるまで長らく森に引きこもっていて、多種族と交流することがほぼ無かったから…。
そして50年。
再び仲間たちと再会したフリーレンは、仲間たちが老いぼれ(失礼)ていることに驚きます。
50年前の約束通り、年老いた仲間たちを、流星がキレイに見える場所に連れて行くフリーレン。
その一週間の旅は、もはや寿命の迫ったヒンメルたちにとって、最後の楽しい冒険となったのでした。
間もなくヒンメルは亡くなります。
厳かに行われる葬儀の中、フリーレンは自分がヒンメルのことを何も知らないと気づきます。
人間の寿命が短いことを知っていたのに、なぜもっとヒンメルのことを知ろうとしなかったのかと、後悔の涙を流すフリーレン。
その後悔を胸に、フリーレンは「もっと人間のことを知ろう」と、再び1人で旅立つのでした。
勇者一行、とても仲良くて魅力的!すごく良い~!これだけ息の合った仲間との思い出は、それは貴重なものとなるでしょう。長寿のフリーレンにとっても、まさにかけがえの無いものに。
第2話 僧侶の嘘(うそ)
勇者ヒンメルの死から20年後。
フリーレンは冒険仲間の僧侶ハイターを訪ねます。
そこには元気だが衰えたヒンメルと、フェルンという少女が暮らしていました。
戦災孤児であるフェルンを引き取って育てているハイターは、フェルンの魔法の素質をみて、フリーレンに弟子として連れて行ってほしいと頼みます。
しかし実戦での見習い魔法使いの死亡率の高さゆえに、フリーレンはその頼みを断ります。
代わりに魔導書の解読と、その合間にフェルンに魔法を教えることを引き受けるのでした。
フェルンは常人なら10年かかる道を4年で超え、魔導書の解読も順調に進みます。
ですがついにハイターの寿命が訪れようとしていました。
フェルンは一人前になることが恩返しであると修行に打ち込み、課題をクリア。
ハイターは穏やかな最後の時間を過ごした後、2人に看取られ埋葬されました。
フリーレンは1人前の魔法使いとなったフェルンを連れて旅立ちます。
ハイターがなかなかいい性格しているんですよ。いなくなって本当に残念。フェルンはとてもしっかりした子で、フリーレンのお世話で苦労しそう(笑)
第3話 蒼月草(そうげつそう)
勇者ヒンメルの死から26年後。
フリーレンとフェルンは冒険者として、各地で地味な仕事をしながら旅をしていました。
とある場所で薬草家から勇者ヒンメルの像の清掃を依頼されます。
清掃を終えた後、像の周囲にヒンメルの故郷の花である、蒼月草の花畑を作る魔法を使おうとするフリーレン。
しかし見たことのない花は魔法で出せないため、この地では絶滅したとされる蒼月草を探します。
それから半年。蒼月草は見つかりません。まったく諦めようとしないフリーレンに不安を覚えるフェルン。
人間と時間の感覚が違うので、放っておいたらフェルンがおばあさんになっちゃう。
そんな時、蒼月草の近縁種のタネを咥えたシードラット(ほぼリス)の後を追うと、森の奥に廃墟となった塔が現れます。
その塔の頂上に、シードラットが集めた種が芽吹いて出来た、蒼月草の花畑が見つかりました。
ヒンメルの像の周囲を蒼月草の花で埋め尽くし、フリーレンたちはまた旅立ちます。
ゆく先々でよみがえる勇者一行の思い出が温かい。しかしヒンメル、絶対フリーレンのこと好きだったよねぇ?普通は気がつくと思うんだけど、フリーレンだからなぁ…。
第4話 魔法使いの隠し事
勇者ヒンメルの死から27年後。
ある都市で、フリーレンとフェルンは手分けして旅の物資を補充するため、別行動をとります。
しかし余計な買い物をする気配がするフリーレン。フェルンはこっそり後をつけます。
いままで見たことも無いほど真剣にアクセサリーを選び、美味しいスイーツの店を調べるフリーレン。
それはフェルンの誕生日プレゼントでした。
「フェルンのことが何も分からないから、どんなものが好きなのかもわからない」と謝るフリーレン。
そんなフリーレンに、「自分を知ろうとしてくれたことが、たまらなく嬉しい」と伝えるフェルンでした。
隠し事と悩み事するフリーレンの表情が見もの。普段クールなのに、たまにヘニャッとした顔になるのかわいい。
第5話 人を殺す魔法
旅の途中、フリーレンはフェルンに防御魔法の特訓をします。
生存率に直結するからです。
目的の村に着くと、そこではフリーレンが現れるのを予期していたような村人たちが出迎えます。
この地には昔、悪逆の限りを尽くした魔族、腐敗の賢老クヴァールがいました。
それを80年前に勇者ヒンメル一行が封印したのですが、もうすぐ封印が解ける頃。フリーレンは封印が解けて現れるクヴァールを討伐するためにやって来たのです。
80年前、クヴァールを倒さず封印したのは、クヴァールが強く勝てなかったから。
クヴァールが開発した「人を殺す魔法(ゾルトラーク)」が、非常に強力な攻撃魔法だったのです。
強すぎる相手だと言うフェルンに、「強すぎるその強さが仇となった」とフリーレン。
翌日、フリーレンはクヴァールの封印を解き、相対します。
クヴァールのゾルトラークによる攻撃を、フェルンの防御魔法が防ぎます。
クヴァールの強すぎた「人を殺す魔法」は、クヴァールの封印後、その強さゆえに徹底的に研究され、もはや人を殺す魔法では無くなったのです。
なおもゾルトラークで攻撃をしてくるクヴァールを、フリーレンは同じくゾルトラークで倒すのでした。
フリーレンとクヴァールは、長寿で強力な魔法使い同士。互いに少しリスペクトがあるのかなと思った最期でした。
第6話 新年祭
勇者ヒンメルの死から28年後。海岸沿いの村。
2人は海岸に打ち上げられた漂流物の清掃を依頼されます。
報酬は大魔法使いフランメの魔導書。
しかしフランメの著書に本物無しと言われており、報酬の魔導書も偽物ですが、フリーレンはそれを承知で依頼を受けます。
清掃を続けて数か月、ついに清掃が終わりました。季節は冬。新年祭の前日です。
この村では新年祭の日に日の出を見る習慣があります。
実は以前ヒンメルたちとこの村を訪れた時、寝坊したフリーレンは日の出を見ることができなかったのです。
今回はフェルンに起こしてもらい、無事に日の出を見ることができたフリーレンでした。
日の出に全く興味がないフリーレンですが、フェルンと一緒に観ることで、仲間と楽しさを分かち合う喜びを少し知ります。ヒンメル達と一緒に観ることができていたらなぁ、本当にもったいないことだなぁと思いました。
第7話 魂の眠る地
勇者一行の仲間、ドワーフの戦士アイゼンを訪ねるフリーレンとフェルン。フリーレンとアイゼンは30年ぶりの再会です。
アイゼンになにか助けてほしいことはあるか尋ねると、探し物を頼まれます。
それは大魔法使いフランメの手記でした。
生前、ハイターが情報を集め割り出した本物の手記です。
30年前、フリーレンはヒンメルを知っておけばと口にしました。
大魔法使いフランメの手記には、死者と対話したという記録が残されているとされています。
ハイターとアイゼンは、後悔するフリーレンを手助けしたかったのです。
フリーレンに「お前なら場所を知っているはず」というアイゼン。
そこで広大な森の中、遺跡を飲み込んだ大樹を見つけます。
そこは大魔法使いフランメの遺跡。
フリーレンはフランメの弟子だったのです。
1,000年も昔、フランメは弟子のフリーレンが、いつか人を知りたいと考えるようになることを見越し、その手助けとなる手記を残していたのです。
その手記には、大魔法使いフランメが大陸の北の果て、人々が天国と呼ぶ、魂の眠る地・オレオールにたどりついたこと。
そこには多くの魂が集まり、かつての戦友と対話したことが書かれていました。
どこまで真実なのかは不明でしたが、ヒンメルと話すため、大陸の北の果てにあるというオレオールを目指すことにするフリーレン。
そこは現在エンデと呼ばれる場所。いまは魔王城がある場所でした。
勇者一行からも、師匠フランメからもとても大事にされていますね、フリーレン。本人すごく素っ気ないんだけど、上辺だけでは分からないフリーレンの温かい心をみんな知っているんだと思います。これからは魔王城を目指すことになりそう。寒い場所だけど、がんばってフリーレン!






